tinkererの下書きをGitで管理する。

まずは、tinkererで下書きを使う場合の手順のおさらいです。下書き用のreSTファイルを生成するには-dオプションを使います。

$ tinker -d hoge
New draft created as '/home/user/myblog/drafts/host.rst'

生成されたreSTファイルを編集します。完成したら日付のディレクトリを作り、そこに下書きのreSTファイルを移動させます。master.rstにエントリを登録してビルドしたら終わりです。

$ mkdir -p 2012/04/10
$ mv draft/host.rst 2012/04/10/
$ vi master.rst
$ tinker -b -q

簡単ですね。

reSTをGitで管理する。

tinkererをGitで管理する場合、pagesディレクトリ、ブログ用のYYYY/MM/DDディレクトリ以下の各reSTファイル、toctree用のmaster.rst、設定ファイルのconf.py、_staticディレクトリの下のファイルを対象にします 1 。コミットしたらどこかのリモートリポジトリに置いておけば、どこからでもブログを書けるようになります。

ところで、作成途中の下書きは別で管理したいですよね。公開済みのブログの原稿のreSTファイルは、ブログで公開しているのですから、別に公開したところで何も変わりませんが、下書きは公開したくない情報を入れているかもしれません。文章も公開用に推敲されていないかもしれません。下書きだけに。

そこで、下書き用のdraftsブランチを作成します。対象はdraftsディレクトリ以下の下書き用のreSTファイルだけで大丈夫です 2 。下書きが完成するまで、適当にコミットし、完成したら、先ほどの手順でYYYY/MM/DD形式の日付のディレクトリを作成し、reSTファイルを移動しコミットします。

$ git branch
* drafts
  master
$ git add drafts/hoge.rst
$ git commit -sm "Add draft of hoge"
$ git add drafts/hoge.rst
$ git commit -sm "Update draft of hoge"
$ git add drafts/hoge.rst
$ git commit -sm "Finish draft of hoge"
$ mkdir 2012/04/10
$ git mv drafts/hoge.rst 2012/04/10/hoge.rst
$ git commit -sm "Add entry hoge"

これをmasterブランチに取り込みたいのですが、masterブランチにmergeしてしまうと、他のdraftsディレクトリで管理されている下書きも追加されてしまいます。困りました。そこでcherry-pickですよ。cherry-pickを使えば、先ほどのコミットだけを取り込むことができます。

$ git checkout master
$ git log drafts
$ git cherry-pick 6890c74 270c118 4f2a0df 2acd8a3
[master 1c28f33] Add draft of hoge
 0 files changed
 create mode 100644 drafts/hoge.rst
[master 503e07a] Update draft of hoge
 1 file changed, 428 insertions(+)
[master 84be7d7] Finish draft of hoge
 1 file changed, 428 insertions(+)
[master 265ec60] Add entry hoge
 1 file changed, 0 insertions(+), 0 deletions(-)
rename drafts/hoge.rst => 2012/04/10/hoge.rst (100%)

コミットを取り込んだら、master.rstを編集し、先ほどのエントリを追加して、git commit –amendすれば、取り込んだ下書きと同じコミットとして管理することができます。あるいは、git cherry-pickで–no-commitオプションをつければ、indexに登録するだけなので、そっちの方が良いかもしれません。

1

_staticディレクトリに何もファイルが無ければ、.gitkeepを作って管理しておくと、ビルド時に余計なエラーが発生しません。

2

draftsディレクトリ以下のreSTファイルはビルドの対象にはならないので、下書き用のreSTファイルだけを管理すれば良いわけです。