マックの興味深い判決。

昨日、直営店の店長が管理職扱いされるのは違法である、ということで未払の1800時間だかの残業手当てを支払うようにとの判決がおりた。昨日、社内の組合Webサーバでは昼過ぎすぐにこの判決について軽く言及したのだが、IT業界の企業で、中央執行委員を担っている立場から、この問題について考えてみる。

今回の争点のキーポイントは「店長は経営側の人間として、店舗運営を担っていたか」。そして今回の判決は下記の理由からそうではないということで違法との判決が下りた。

  • 店舗運営において自分以外の社員はおらず人事権が無かった。 [1]
  • 同様に勤務形態も自分の裁量で決められなかった。
    • 結果、早朝6時~23時勤務せざるを得ない状態であったにも関わらず、残業代は管理職というで支払われなかった。
  • 一方、店舗の運営方針は上から降りてくるだけで、一(アルバイト)店員と何ら変わらなかった。

ということで、管理職は経営と一体となって会社の運営担っていくはずにも関わらず、人事権も店舗の運営決定権もないのに肩書きだけ管理職として、残業代を払わないのは違法という判決が下った訳だ。

今朝の朝日新聞では『偽装管理職』という見出しを打って、日経新聞では各業界の各社の店長の扱いについて、管理職であるか否か、残業代の支払いの有無の観点でマトリックスを掲載して、アルバイトに頼る小売業への影響について言及しているが、今回の判決はそれだけにとどまらない。IT業界でも実態は同じだからだ。

コスト削減の為に部下もいない管理職が周りで増えていないだろうか? 一番多いと予想できるのは、PMという、一見、管理職っぽい職務。でもPMは単なる役割に過ぎないので、担当プロジェクトの範囲内でも事実上は決裁権はなかったりしないだろうか?

今の仕組みが一概に悪いとは言えないが、歪みが出てきている事は事実だと思う。だから昔から言われている過労死や、最近多い、こころの病などに端を発し、昨年の偽装請負や今回の『偽装管理職』の問題が明るみに、というか、今まで当たり前と思っていた事が、当たり前ではなくなる司法の判断が下っているのではないかと。

結局のところ、最終的には自分の身は自分で守る必要があるのだが、その前に、非管理職のあなたも、実態がそぐわない『偽装されてる』管理職のあなたも、一度労働組合の価値を見直してみては如何だろうか。特に、unionではなく、任意加入の組合の会社の人。一度、あなたの会社の組合がどういう活動をやっているのか興味を持ってみる事をお奨めする。それから管理職の人。組合に入れないと諦めず、組合に相談するなり、或いは管理職組合への加入を考えてみては如何だろう。そして、組合が無い会社にお勤めのあなた。一人で出来る事は限られているので、組合組閣を考えてみては如何だろうか。

[1]行使する対象の社員がいなかったという認識でよいのかな?